仏壇仏具木工文化の 現状を問う

日本の唐木仏壇木工文化の現状を問う

「仏壇は家具ではありません」先祖の霊を祀り、家族の福徳をつむところです。

科学の発達した今日、質より量、経済優先の利益至上主義、耐用年数無視、見た目がよければそれで良し、昨今の木工文化は特にこのような風潮です。
先人達の永い間培われてきた体験などから日本独特の良い道具が考え作られて来ました。優れた木工技法が生まれ育てられて世界一と誇れる日本の木工文化ですが、このまま進みますと近い将来、確実に日本木工文化の崩壊となります。取り返しのつかない事態をまねき、国家の損失になると主張するものです。

親方から弟子へ。伝えられる物作りの真意。

それは刃物鍛冶ひとつにしても火の色を見て焼入れをします。木工の鉋削りひとつにしても同じです。親方から弟子に実践をもって体で習得するものです。文章で残しても真意が伝わるものでは無いからです。
物の作りには本式と略式の二通りがありますが、消費者にとって見た目にはまったく識別できません。略式と本式の評価が同じならば本道本式の人は経済的に貧窮に陥るため物作りをやりたくてもできません。親方がいなくなり弟子になる人もいない、そこで技術は途絶えてしまいます。千数百年の歴史の木工文化です。一度でも技術の火を消してしまうと技術を再興するには膨大な年数が必要となります。

そこで、今こそ早急に本式の作り方と略式の作り方とを明確に仕分ける時ではないかと考えています。消費者に本式、略式の双方を呈示し、その有利性を理解してもらうために、それぞれの価値を明らかに示し、そのうえで消費者のニーズによって選択しもらえればよいと考えます。
消費者の信頼を得ることで造り手の本式と略式の双方が益々発展するものと確信します。

唐木仏壇の製造と販売の実態

唐木仏壇の製造と販売の実態

お仏壇の全国年間販売数は約30万本、そのうち海外生産が約85%≒約25万本、国内生産が約15%≒約5万本です。
その製造方法の約99.9%が略式造りであり、本式指物造りは約0.1%と言われています。
略式造り仏壇1000本に対し、本式指物造り1本が今の仏壇造りの実態です。

海外からの仏壇輸入本数の推移(財務省貿易統計)
  2002 2006 2007 2008 2009 2010
中国 本数 155,665 231,813 198,241 199,846 206,247 193,110
重量(㎏) 7,490,301 9,087,866 8,252,678 8,150,358 7,901,957 7,699,039
ベトナム 本数 21,149 34,466 33,252 56,127 26,306 27,481
重量(㎏) 1,270,339 2,022,013 1,830,367 1,678,454 1,668,722 1,639,564
タイ 本数 35,588 23,613 18,703 17,311 17,296 18,187
重量(㎏) 1,950,438 1,563,786 1,219,710 1,084,327 925,272 868,955
インドネシア 本数 8,537 14,121 11,110 11,327 9,220 11,127
重量(㎏) 448,259 818,112 673,690 667,195 582,618 720,256
イタリア 本数 284 234 473 284 131 24
重量(㎏) 10,385 10,622 16,777 8,598 6,296 672
総輸入本数 227,569 304,879 262,889 255,629 259,471 250,320

※総輸入本数には韓国・台湾・フィリピンなどからの本数を含む

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